かつて吉田茂も賓客として招かれた18帖上座敷から見た庭園。
ほの暗い障子の内部から見る明るい庭園、まさに陰翳礼賛。
日本建築美を表現するショットです。
元日興証券創立者遠山元一邸に約三十数年ぶりに訪れました。
ボランティアの方が隅々までくまなく案内してくれました。
屋久杉天井や欅一枚板の廊下や蛍壁、茶室の墨差天王寺壁、トイレの赤いベンガラ壁等
めったにお目にかかれない贅を尽くした仕上げは見どころいっぱい。
写真正面の幅広ガラスは歪みのない昭和8年アメリカ製カットガラスで当時のままだそうです。
美術館棟の設計は昭和を代表する今井兼次先生。
以前訪れたのは今井建築を訪ね歩きこちらの美術館を見学する目的でした。
美術館天井にあるフレスコ画のディティール。
明治のバナキュラー建築スタイルで土蔵の形姿としながらも
教会建築を数多く手掛けらえた先生らしいやさいいディティールが
ひっそりとちりばめられて改めて感動です。