吉村順三作の文殊荘新館。
建設からすでに50年が経過し、旅館の内部は一部に手を加えられていますが
至る所に吉村ディテールは健在です。
障子の下框が太いのは雪見障子になっている為なのか、あるいはオリジナルと変わっているのかは不明です。ここの雨戸は強い風雨時に客が怪我をせず閉められるようガラス戸と障子との間にあるそうです。
大きめの鴨居を長押代わりに用い、鴨居から天井までは大壁納めとしています。
長い廊下は少しづつ何度か折れ、至るところに坪庭となっていて客室までのアプローチを楽しませてくれます。
下窓の取り方などは実に巧みな演出です。
照明器具は な、な、なんとあの村野スタンドが置かれています。
50年という歳月は感じますがいつまでも残してほしい実にいい昭和を代表する名建築です。