断熱地域区分変更

2020年11月26日  •  By  •  0 Comments

9 令和2年7月時点で建築物エネルギー消費性能基準等を定める省令における算出方法等を定める件
(国土交通省告示第二百六十五号)が改正となり、
長野県での唯一の地域5は阿智村(旧清内路村)と大鹿村だったのが、
見直し後の地域5は飯田市全域と喬木村となり、周辺町村と同様の地域4から繰り下げられ1段階緩くなりました。
表の左欄が新、右欄が旧地域です。
南信地域では岡谷市、売木村が4から3に、駒ケ根市、下条村は3から4と変更となっています。
旧飯田市街地で標高500m。
飯田市でも真冬では周辺町村と同程度又はそれ以上の寒さの場所もありますから
地域5でも地域4を標準とし、
私の設計では地域3対応とした十分な断熱性能を確保したいと考えています。
香り立つ木の家の断熱設計は 屋根、壁共に内断熱+付加外断熱によるW断熱、樹脂サッシの使用により
外皮平均熱貫流率Ua値は0.45(W/㎡K)という値で設計しています。
断熱基準からすると飯田市で新基準地域5ではなく旧基準地域4の条件とした場合
ZEH(一般ZEH仕様0.6以下)<ZEH+(外皮強化型ZEH仕様0.5以下)<HEAT20 G1(0.46以下)というランクの
HEAT20 G1の基準をクリアしています。
断熱材をより厚くしトリプルガラスサッシ採用等によりUa値を下げることは可能ですが
それらはコストに直接影響してきます。
長野県南部ですが真冬にはマイナス10度位に下がる日もありますが
長野県北部に比較し厳寒期が比較的短く
そして年間を通して日射量が多く、盆地という地形特有の夏は非常に暑い地域です。
飯田市遠山地域は今年39.5°という記録となりました。
夏は南面の軒を深くする、障子ブラインド等如何に室内に日射が入らない工夫をするかが鍵となります。
香り立つ木の家の夏場の平均日射熱取得率μAC値は地域5の基準値3.0に対して1.2。
しっかりと夏は軒で日射を遮り、太陽高度の低い冬は多くの窓から日射を取込むことで
冬の日差しも暖房として利用します。
日本全国どこも全て北海道並みの断熱は必要ありません。
その地域に適した冬の断熱、夏の暑さ対策をした家づくりが必須です。
これから【長野県の冬】に突入します。
断熱性能の高さを確保しながら夏場の暑さ対策!の必要性を強く感じています。